専門用語集

GUIDE

アンプモジュール Amplifier Module(あんぷもじゅーる)

アンプモジュールとは、電気信号を増幅し、負荷を駆動するための電力を出力する増幅器ユニットです。英語では Amplifier Module と表されます。

一般的に、アンプは入力された小さな信号を、目的の機器を動作させるために必要な電圧・電流・電力へ増幅する装置です。アンプモジュールは、その増幅機能をユニット化したもので、複数のモジュールを組み合わせることで、必要な出力容量や装置構成に対応できる場合があります。

当社の振動試験装置では、アンプモジュールは、ロジックモジュールと組み合わせてコンソールラックに搭載され、振動発生機を駆動する電力増幅器として機能します。振動制御装置からの指令信号に基づき、振動発生機へ必要な電力を供給し、所定の加振力、振動数、加速度、速度、変位を実現するための重要なユニットです。

当社の大出力電力増幅器では、D級スイッチングアンプを採用しています。D級スイッチングアンプは高効率な電力増幅方式であり、消費電力の低減、省スペース化、発熱の抑制に有効です。アンプモジュールを単位として構成することで、出力容量に応じた柔軟なシステム構成が可能になります。

振動試験装置では、アンプモジュールの性能が、加振力、応答周波数範囲、出力電圧、出力電流、連続運転性、保護機能などに関係します。特に、大型の動電式振動試験装置では、振動発生機へ安定して大きな電力を供給する必要があるため、アンプモジュールは試験条件の成立に直結する重要な構成要素です。

また、当社の電力増幅器では、ソフトスタート機能、多重インターロック機能、オーバーシュートショックから供試品を保護する機能などにより、振動試験装置全体の安全性や信頼性を支えます。

なお、アンプモジュールは電力増幅器を構成するユニットの一つです。装置全体としての説明は「電力増幅器」、制御信号を扱うユニットについては「ロジックモジュール」を参照してください。

略語・記号:なし

別名・関連表記:スイッチングアンプモジュール、アンプユニット、電力増幅器モジュール、パワーモジュール

関連用語:電力増幅器、ロジックモジュール、振動発生機、振動制御装置、動電式振動試験装置、D級スイッチングアンプ、加振力、出力電圧、出力電流、インターロック

位相 Phase(いそう)

位相とは、周期的に変化する波形の中で、ある時点が1周期のどの位置にあるかを表す量です。英語では Phase と表されます。

正弦波のような周期波形では、波形は同じ形を繰り返します。位相は、その繰り返しの中で、波形が進んでいる位置を角度で表す考え方です。一般的には、度(°)またはラジアン(rad)で表されます。

振動試験や振動解析では、加速度、速度、変位、力などの波形の関係を確認する際に位相が使われます。例えば、入力された振動に対して供試品の応答が遅れているか、進んでいるかを確認する場合があります。

共振付近では、入力と応答の位相関係が大きく変化するため、共振確認や伝達関数の評価において重要な情報になります。振幅だけでなく位相を確認することで、供試品や治具がどのように振動しているかをより詳しく把握できます。

詳細は「位相差」「伝達関数」「共振」「加速度応答」を参照してください。

略語・記号:なし

別名・関連表記:フェーズ

関連用語:位相差、伝達関数、共振、加速度応答、正弦波振動

位相差 Phase Difference(いそうさ)

位相差とは、2つの周期波形の位相の差を表す量です。英語では Phase Difference と表されます。

振動試験では、入力波形と応答波形、または複数の測定点で得られた波形のずれを確認する際に使われます。位相差がある場合、2つの波形は同じタイミングで最大値や最小値にならず、一方の波形が他方に対して進んだり遅れたりします。

位相差は、供試品や治具の振動の伝わり方、共振状態、複数点の応答の違いを確認するために用いられます。詳細な位相の考え方については「位相」を参照してください。

略語・記号:なし

別名・関連表記:位相の差、フェーズ差

関連用語:位相、伝達関数、共振、加速度応答

鉛直加振 Vertical Excitation(えんちょくかしん)

上下方向に振動を与えることです。地震動再現や振動試験で加振方向の一つとして扱われます。

略語・記号:なし

別名・関連表記:上下加振、垂直方向加振、Z方向加振

関連用語:水平加振、加振方向、三次元振動台

応答 Response(おうとう)

応答とは、入力された力、振動、衝撃、音、温度変化などに対して、対象物や装置が示す反応のことです。英語では Response と表されます。

振動試験では、振動台や治具から供試品に入力された振動に対して、供試品の各部がどのように振動するかを応答として確認します。応答は、加速度、速度、変位、ひずみ、力、音などの物理量として測定される場合があります。

供試品の応答は、入力条件、供試品の構造、質量、剛性、取付状態、治具、加振方向などによって変わります。特定の振動数で応答が大きくなる場合は、共振が関係している可能性があります。

振動試験では、入力に対して供試品がどの程度揺れているか、どの部位で応答が大きいか、試験条件が供試品へ適切に伝わっているかを確認するために応答を測定します。

詳細は「加速度応答」「伝達率」「伝達関数」「共振」を参照してください。

略語・記号:なし

別名・関連表記:レスポンス、反応

関連用語:加速度応答、伝達率、伝達関数、共振、加振方向

応答スペクトル Response Spectrum(おうとうすぺくとる)

応答スペクトルとは、地震動や衝撃波形などの入力に対して、さまざまな固有周期または固有振動数をもつ構造物がどの程度応答するかを表したスペクトルです。英語では Response Spectrum と表されます。

一般的には、構造物を1自由度系として考え、同じ入力波形を与えたときに、固有周期や減衰条件ごとに最大応答値がどのように変化するかを示します。応答値には、加速度応答、速度応答、変位応答などがあります。

耐震試験や地震波再現試験では、入力する地震波の強さや構造物への影響を評価するために応答スペクトルが用いられる場合があります。単に最大加速度だけを見るのではなく、どの周期帯で大きな応答が生じやすいかを確認できる点が特徴です。

振動試験では、供試品や構造物の固有振動数、減衰、共振の影響を考える際に、応答スペクトルが参考になる場合があります。詳しい応答の考え方については「応答」を参照してください。

略語・記号:なし

別名・関連表記:加速度応答スペクトル、速度応答スペクトル、変位応答スペクトル

関連用語:応答、地震波再現試験、耐震試験、固有振動数、共振、加速度応答

オクターブ Octave(おくたーぶ)

オクターブとは、周波数が2倍または1/2倍になる関係を表す単位的な考え方です。英語では Octave と表されます。

一般的には、音や振動の周波数範囲を表すときに使われます。音響分野では、音階で「1オクターブ高い音」は周波数が2倍、「1オクターブ低い音」は周波数が1/2倍になります。例えば、基準音として使われる 440 Hz の音に対して、1オクターブ高い音は 880 Hz、1オクターブ低い音は 220 Hz になります。このように、周波数を単純な差ではなく倍率で見ることで、人の感覚に近い区切りとして扱いやすくなります。

騒音測定や音響評価では、周波数を細かい等間隔ではなく、比率で区切るために、オクターブバンドや 1/3オクターブバンドが使われます。

当社製品に関連する振動・騒音評価では、ラトルノイズ試験や騒音測定で、1/3オクターブバンド解析を用いて音の周波数成分を確認する場合があります。また、振動試験では、周波数範囲を対数的に見る際に、オクターブの考え方が関係します。

なお、周波数が10倍または1/10倍になる関係は「ディケード」と呼びます。詳細は「ディケード」「周波数分析」「1/3オクターブ解析」を参照してください。

略語・記号:なし

別名・関連表記:オクターブバンド、1/3オクターブバンド

関連用語:ディケード、周波数分析、1/3オクターブ解析、ラトルノイズ試験、騒音測定

温(湿)度試験槽 Temperature and Humidity Test Chamber(おんしつどしけんそう)

温(湿)度試験槽とは、温度や湿度などの環境条件を人工的に再現し、製品や部品の耐久性・信頼性を評価するための試験装置です。環境チャンバー、チャンバー、温度試験槽、恒温恒湿槽などと呼ばれることもあります。なお、エミックでは、JTM/JISにおける温度試験槽・温湿度試験槽の用語体系を踏まえ、「温(湿)度試験槽」と表記しています。エミックでは、温度試験槽と温湿度試験槽を含む総称として「温(湿)度試験槽」を使用しています。検索や一般的な入力では括弧を省略した「温湿度試験槽」も多く使用されるため、本専門用語集では両方の表記を掲載します。

自動車部品や電子部品などは、高温、低温、高湿度、寒冷地など、さまざまな使用環境で性能を保つ必要があります。温(湿)度試験槽では、こうした環境条件を試験室内で再現し、短時間で不具合要因を確認する加速試験に用いられます。代表的な試験として、高温と低温を繰り返し与える温度サイクル加速試験があります。

エミックでは、温(湿)度試験槽を振動試験装置と組み合わせることで、複合環境試験装置を構成します。これにより、振動に加えて温度・湿度の条件を同時に与える複合環境試験が可能になります。

槽内寸法は、部品試験用では1000W×1000H×1000D mm程度の仕様が多く、大型の温湿度試験槽では2500W×2200H×2500D mmにおよぶ場合もあります。

また、試験内容によっては、エンジン自動車に使用される触媒(キャタライザー)を想定した熱風負荷や、オルタネータを想定した回転負荷を加える機構を備える場合もあります。実際の使用環境に近い条件を再現することで、製品の不具合要因を早期に把握し、開発期間の短縮や品質向上に役立てることができます。

略語・記号:なし

別名・関連表記:温(湿)度試験槽、恒温恒湿槽、環境試験槽、高温恒温槽、チャンバー、環境チャンバー

関連用語:恒温恒湿槽、複合環境試験装置、温度範囲、湿度範囲

温湿度振動複合試験 Combined Temperature/Humidity and Vibration Test(おんしつどしんどうふくごうしけん)

温度・湿度・振動を組み合わせ、使用時や輸送時に近い複合環境で信頼性を評価する試験です。

なお、「温湿度振動複合試験」は、複合環境試験の条件をより具体的に示した呼び方です。エミックの専門用語集では、これらを複合環境試験の関連用語として整理しています。詳しくは「複合環境試験」を参照してください。

略語・記号:なし

別名・関連表記:温湿度・振動複合試験、振動温湿度試験

関連用語:複合環境試験、温湿度試験槽、振動試験装置

温度安定化 Temperature Stabilization(おんどあんていか)

有効空間内の規定点で、一定時間、規定の許容範囲内に温度を維持する状態です。

略語・記号:なし

別名・関連表記:温度安定状態、安定化

関連用語:温度試験槽、有効空間、温度変動

温度極値到達時間 Temperature Extreme Reach Time / Time to Reach Temperature Extreme(おんどきょくちとうたつじかん)

温度極値到達時間とは、温度試験槽の有効空間の中心温度が、標準条件の外囲温度から、温度制御範囲の最高温度または最低温度に到達、または通過するまでの時間を指します。

英語では、意味としては Time to Reach Temperature Extreme、または Temperature Extreme Reach Time と表すことができます。

本用語集では、英語として自然な Time to Reach Temperature Extreme を主表記とし、仕様項目名として短く示す場合の表記として Temperature Extreme Reach Time を併記します。

従来は、温度試験槽の性能表示として温度上昇時間や温度下降時間が使われていました。JTM K 07の解説では、新しい性能表示では、二つの規定温度間を1分あたりに変化する速度を温度変化速度として表示し、従来の温度上昇/下降時間は温度極値到達時間として踏襲されると説明されています。

温度極値到達時間は、試験槽が外囲温度から最高温度または最低温度まで到達するまでの目安として使われます。ただし、試験条件の成立を判断する場合は、単に温度極値へ到達した時点だけでなく、温度の安定状態、温度変動、温度勾配、供試品を入れた状態での温度追従性もあわせて確認する必要があります。

温度極値到達時間は、温度試験槽の性能を示す項目の一つですが、現在のJTM K 07では、温度変化の性能表示として温度変化速度も重要な項目として扱われます。そのため、温度試験槽の性能を確認する際は、温度極値到達時間だけでなく、温度変化速度、到達温度、温度安定状態をあわせて確認することが重要です。

略語・記号:なし

別名・関連表記:温度上昇時間、温度下降時間、温度到達時間、設定温度到達時間、温度閾値到達時間、温度衝値到達時間

関連用語:温度試験槽、温(湿)度試験槽、温度変化速度、温度上昇時間、温度下降時間、到達温度、温度安定状態、温度変動、温度勾配、有効空間

温度サイクル試験 Temperature Cycle Test / Temperature Cycling Test(おんどさいくるしけん)

温度サイクル試験とは、供試品に高温・低温の温度変化を繰り返し与え、熱膨張や収縮によるストレスへの耐性を確認する試験です。温度変化試験、熱サイクル試験、Temperature Cycle Test、Thermal Cycling Test と呼ばれることもあります。

自動車部品、電子部品、半導体、基板、樹脂部品などは、使用環境や運転状態によって温度変化を受けます。温度サイクル試験では、このような温度変化を試験槽内で再現し、接合部の劣化、割れ、変形、導通不良などの不具合要因を短時間で確認します。加速試験として実施される場合は、温度サイクル加速試験と呼ばれることもあります。

エミックでは、温(湿)度試験槽を振動試験装置と組み合わせることで、複合環境試験装置を構成します。これにより、温度サイクルに加えて、振動や湿度を組み合わせた複合環境試験にも対応できます。試験条件を検討する際は、設定温度、保持時間、温度変化速度、有効空間、供試品の質量や発熱などを確認することが重要です。

略語・記号:なし

別名・関連表記:温度変化試験、熱サイクル試験、温度サイクル加速試験、急速温度変化試験、Thermal Cycling Test

関連用語:温(湿)度試験槽、温度変化速度、加速試験、温度サイクル加速試験、複合環境試験装置、振動試験装置

温度試験槽 Temperature Test Chamber(おんどしけんそう)

温度条件を制御して製品や部品の耐久性・信頼性を評価する試験装置です。エミックの専門用語集では、温度・湿度条件を扱う試験槽をまとめて「温(湿)度試験槽」として整理しています。

詳しくは「温(湿)度試験槽」を参照してください。

略語・記号:なし

別名・関連表記:温度試験槽、恒温槽、環境試験槽、高温恒温槽、チャンバー、環境チャンバー

関連用語:温湿度試験槽、恒温恒湿槽

温度/湿度安定状態 Temperature/Humidity Stabilization(おんどしつどあんていじょうたい)

温度/湿度安定状態とは、温(湿)度試験槽の有効空間内で、温度および湿度が規定された許容範囲内に入り、その状態を一定時間維持している状態を指します。英語では Temperature/Humidity Stabilization と表されます。

温(湿)度試験では、試験槽の表示値が設定値に近づいただけでは、必ずしも試験条件が安定したとはいえません。有効空間内の温度や湿度が許容範囲内に入り、規定時間の間、その状態を維持していることを確認する必要があります。

JIS C 60068-3-6では、温湿度の安定状態を、有効空間内の規定の点で、規定時間の間、規定した許容範囲内の温湿度を維持する状態としています。また、温湿度の安定状態では、湿度が有効空間の中心において試験槽仕様の許容差以内、または関連する試験規格の要求事項の許容差内に到達し、最低30分間維持されることが示されています。

温度/湿度安定状態は、試験開始の判断、保持時間の起点、槽内条件の妥当性確認に関係します。供試品を入れた状態では、供試品の熱容量、吸湿性、発熱、配置、風の流れによって、安定までの時間が変わる場合があります。

略語・記号:なし

別名・関連表記:温湿度安定状態、温度の安定状態、湿度安定状態、温度安定、湿度安定

関連用語:温(湿)度試験槽、設定温度、相対湿度、温度変動、湿度変動、温度勾配、湿度勾配、有効空間、到達温度、到達湿度

温度/湿度勾配 Temperature/Humidity Gradient(おんどしつどこうばい)

温度/湿度勾配とは、温(湿)度試験槽の有効空間内における、場所による温度または湿度の差を表す量です。英語では、温度勾配を Temperature Gradient、湿度勾配を Humidity Gradient と表します。

温(湿)度試験槽の中では、すべての位置が完全に同じ温度・湿度になるわけではありません。送風方向、槽内構造、供試品の配置、棚板や治具、発熱体の有無などによって、有効空間内に温度差や湿度差が生じる場合があります。

JIS C 60068-3-5では、温度勾配を、温度安定後の任意の瞬間における有効空間内の別々の2点の平均温度の差の最大値としています。JIS C 60068-3-6では、湿度勾配を、有効空間の全測定点における各平均湿度の最大差分としています。

温度/湿度勾配が大きい場合、同じ試験槽内でも供試品の置き場所によって受ける環境条件が変わる可能性があります。そのため、温(湿)度試験では、有効空間内のどの位置で条件を満たしているか、供試品をどこに配置するかを確認することが重要です。

略語・記号:なし

別名・関連表記:温度勾配、湿度勾配、温湿度勾配、温度分布、湿度分布

関連用語:温(湿)度試験槽、有効空間、温度分布、湿度分布、温度変動、湿度変動、空間温度偏差、空間湿度偏差

温度/湿度変動 Temperature/Humidity Fluctuation(おんどしつどへんどう)

温度/湿度変動とは、温(湿)度試験槽の有効空間内で、温度または湿度が時間的にどの程度変化するかを表す量です。英語では、温度変動を Temperature Fluctuation、湿度変動を Humidity Fluctuation と表します。

温(湿)度試験槽では、設定値に到達した後も、制御動作や空気循環、加湿・除湿、冷却・加熱の影響により、温度や湿度がわずかに上下します。この時間的な揺らぎを確認するために、温度変動や湿度変動が用いられます。

JIS C 60068-3-5では、温度変動を、有効空間内の規定点における安定後の規定した時間間隔の最高温度と最低温度との差としています。JIS C 60068-3-6では、湿度変動について、温度および湿度が安定した後、有効空間中心部の湿度を30分間以上、等間隔で10回以上測定し、温度測定点の情報も用いて算出する方法が示されています。

温度/湿度変動が大きい場合、供試品に与える環境負荷が時間的に変わりやすくなります。特に、許容範囲の狭い試験、長時間保持試験、湿度の影響を受けやすい材料や電子部品の評価では、設定値だけでなく、変動幅を確認することが重要です。

略語・記号:なし

別名・関連表記:温度変動、湿度変動、温湿度変動、温度揺らぎ、湿度揺らぎ

関連用語:温(湿)度試験槽、温度/湿度安定状態、温度勾配、湿度勾配、設定温度、相対湿度、有効空間、許容範囲

温度振動複合試験 Combined Temperature and Vibration Test(おんどしんどうふくごうしけん)

温度環境と振動負荷を組み合わせ、実使用環境に近い条件で供試品を評価する試験です。

なお、「温度振動複合試験」は、複合環境試験の条件をより具体的に示した呼び方です。エミックの専門用語集では、これらを複合環境試験の関連用語として整理しています。詳しくは「複合環境試験」を参照してください。

略語・記号:なし

別名・関連表記:温度・振動複合試験、温度複合振動試験

関連用語:複合環境試験、振動試験、温度試験槽

温度変化速度 Temperature Rate of Change / Temperature Change Rate(おんどへんかそくど)

温度変化速度とは、温(湿)度試験槽の槽内温度を、ある温度から別の温度へ変化させる速さを示す性能項目です。英語では Temperature Rate of Change、または Temperature Change Rate と表されます。単位には、一般に ℃/min または K/min が使われます。

温度変化速度は、温度サイクル試験、温度サイクル加速試験、温度変化試験、複合環境試験などで、試験槽が求められる温度条件に追従できるかを確認するために用いられます。低温から高温へ、または高温から低温へ移行する試験では、目標温度に到達できることだけでなく、規定された温度範囲をどの速さで変化できるかが重要になります。

JTM K 07「温度試験槽-性能試験方法及び性能表示方法」では、新しい性能表示として、二つの規定温度間を1分あたりに変化する速度を温度変化速度として表示する考え方が示されています。一方、従来の温度上昇時間や温度下降時間は、温度極値到達時間として踏襲されると説明されています。つまり、温度変化速度は温度変化の「速さ」を示す項目であり、温度極値到達時間は最高温度または最低温度へ到達するまでの「時間」を示す項目です。

温度変化速度では、最高温度や最低温度に近づくにつれて温度変化が遅くなる区間を除き、一定の規定温度間での変化速度として評価されます。そのため、温度変化速度は、試験槽の温度制御範囲の端まで到達する時間そのものを表すものではありません。温度制御範囲の最高温度または最低温度までの到達時間を確認する場合は、温度極値到達時間として別に扱います。

温(湿)度試験槽を振動試験装置と組み合わせた複合環境試験装置では、振動に加えて温度や湿度条件を同時に与えます。そのため、温度変化速度は、振動条件と環境条件を組み合わせた試験が成立するかを確認するうえで重要な項目です。供試品の熱容量、発熱の有無、設置位置、治具、ケーブル、槽内の風の流れなどによって、実際の供試品温度の追従は槽内空気温度と異なる場合があります。

温度変化速度を確認する際は、どの温度範囲での速度か、上昇方向か下降方向か、有効空間内のどの位置で測定するか、無負荷・無試料の条件か、供試品を入れた状態かを明確にする必要があります。また、試験条件の成立を判断する場合は、温度変化速度だけでなく、温度極値到達時間、到達温度、温度安定状態、温度変動、温度勾配もあわせて確認することが重要です。

略語・記号:℃/min、K/min

別名・関連表記:温度上昇速度、温度下降速度、昇温速度、降温速度、温度ランプレート、温度変化率

関連用語:温(湿)度試験槽、温度サイクル試験、温度サイクル加速試験、複合環境試験、温度極値到達時間、温度上昇時間、温度下降時間、到達温度、温度安定状態、温度変動、温度勾配、有効空間